
江戸時代に鍋島藩窯があったことから「秘窯の里」と呼ばれる伊万里市の大川内山で、14日から始まる夏の恒例イベント「風鈴市」に向けた準備が進んでいる。今年は藩窯開窯350周年を記念した磁器の風鈴を千個作って飾り、例年より規模を拡大して涼を演出する。
昨年までは「風鈴まつり」の名称で実施し、各窯元が自作の風鈴を軒先などに並べていた。主催する窯元組合は今回、350周年事業として風鈴を千個新たに作る。窯元通りや広場に飾り、大川内山全体で2千個以上の風鈴が風に揺れる。
新しい風鈴は全て同じ形と大きさ(本体の高さ約7センチ、直径約8センチ)で、色は白、紺、赤などの単色5種類。伝統工芸の名尾和紙を使った短冊の長さも統一した。各窯元が協力して色付け、焼成などの作業に当たり、週明けまでに作り終える。この千個については商品として販売しない。
風鈴市は8月24日まで。イベント責任者の市川俊樹さん(33)=市川冬山窯=は「窯元が力を合わせて魅力アップした風鈴市をぜひ見に来て」と呼びかける。