音楽を活用して健康維持や身体機能の回復などを図る音楽療法の講演会が二十一日、香川県綾歌郡宇多津町のホテルであった。参加者は、米国での実践例を紹介したビデオや第一人者の講演に耳を傾け、言葉や運動機能に障害がある場合でも、脳を鍛えることで欠損部をフォローできることを学んだ。
講演会は、県内のデイケアセンターや障害者施設の職員らでつくる四国ミュージックセラピー研究会が主催。米国のシェナンドー大学教授で、第一線で活躍するマイケル・ローバッカー博士を講師に招いた。
県内外から約百五十人が集まった会場で博士は「生まれてきたばかりの赤ちゃんは言葉を知らないが、音楽を本能的に理解している。子守歌の歌詞などを通じて、徐々に社会に慣れていく」と説明。実際に太鼓をたたいて、そのリズムをまねさせることで、来場者に音楽は考えるものではなく感じるものということを理解させた。
ビデオでは事故の影響で言葉が発声しにくくなった男性が、四カ月半の音楽療法で日常会話ができるように回復した例を紹介。「音楽に合わせて呼吸法を工夫すると脳の違う分野を刺激し、失った機能を補完することにつながった」と強調した。 (四国新聞社)