五所川原市-中泊町を走る、津軽鉄道の「風鈴列車」が一日、今夏の運行を始めた。列車の揺れや時折吹き込む風で「チリン」と涼しげな音を響かせる夏の「風物詩」が、乗客たちの心を和ませている。
風鈴列車は、同鉄道にまだ冷房車がなかった一九八四年、風鈴の音で涼を感じてもらおうと始めた。二〇〇六年からは、それまでの南部鉄器などの風鈴に代わって地元・津軽金山焼の風鈴がお目見えした。
この日午前は、秋田県大館市から訪れた十九人の団体客が津軽五所川原駅から金木駅まで貸し切り車両に乗車した。
七十歳代の男性は「最近はスピードの速い列車が多いが、この列車はゆっくり走るので昔の汽車に乗ったような懐かしさがある」と笑顔を見せながら、車窓を眺めていた。
風鈴は各車両に五つほどつるされており、「心乗る風鈴列車津鉄線」などの俳句や短歌が書かれた短冊も付いている。風鈴列車は、八月末まで運行する。 (東奥日報提供)