厳しい暑さが続くと外に出るのが億劫になってしまうこともあるかもしれない。
エアコンが利いた家に籠りがちな日々から抜け出したいときは、少しでも涼しそうな場所を探して訪れてみると良いだろう。
この時期、各地で行われる風鈴祭り。
風鈴の涼し気で優しい音色は、聴いている人に涼と癒しを与えてくれる。
今回は、現在風鈴祭りが開催されている光丸山法輪寺を訪れた。
本堂。側には蓮の花が咲く。
光丸山法輪寺は、約1000年前、慈覚大師の開基と伝えられる天台宗の寺院である。
本堂(大日堂)には御本尊である大日如来が安置され、本堂横の天狗堂には日本一といわれる大天狗の面が祀られている。
本堂から杉並木を進むと中の院へと続く。釈迦堂に付属する中の院には秘仏を納めた神輿が安置されている。
境内には多くの見どころがあるので、訪れた際はゆっくりと散策してみてはいかがだろう。
風鈴祭り
本堂の前を彩るカラフルな風鈴。
光丸山法輪寺では7月7日から9月半ばまで風鈴祭りが開催されている。
約300個の風鈴が奏でる音色はとても涼やかで、ガラス製のカラフルな風鈴が風に揺れる景色は、暑さ負けしそうな心も元気にしてくれる。
大天狗面
天狗堂。写真の奥に大天狗の面が安置され、周りはカラフルな花で飾られている。
天狗堂に安置された大天狗面は、高さ2.14m、幅1.5m、鼻の高さ1.3m、重さ1tと木製の天狗面では日本一といわれる。
火災盗難厄除けとして広く信仰されている。
豊かな自然に囲まれた境内
光丸山法輪寺は「東国花の寺百ヶ寺」の一寺に数えられ、四季折々の花が咲く。
特に「西行桜」は美しい。
樹齢800年を超える桜の古木の、苔に覆われた幹と独特な樹形は、境内でも圧倒的な存在感を放っている。
3月下旬に行われるライトアップもとても幻想的である。
西行桜。
境内の苔むした石畳や小道を歩くだけでも、四季折々の花と出会い、豊かな自然を満喫することができる。
花だけではなく、蝶や蜻蛉など生きものたちの息吹を感じる境内でゆっくりと深呼吸をしてみるのも良いものだ。
境内では季節の花々と生きものたちに出会うことができる。
可愛らしいオリジナル御朱印
光丸山法輪寺では、種類豊富な御朱印を受けることができる。
オリジナルのイラストがとても可愛らしく、どの御朱印を受けようか迷ってしまうようだ。
今回受けたのは龍の切り絵御朱印。カラフルで迫力のある龍が描かれている。
限定御朱印については公式SNSで随時更新されている。
最後に
光丸山法輪寺は鳥居のある寺院としても知られる。
また毎年11月の「光丸山大縁日」では寺院としては全国でも珍しい神輿の渡御を行う。
これは神仏習合の歴史を今に伝える全国でも珍しい祭りであり、そのような歴史的な背景に目を向けてみるのも興味深い。
杉並木。風鈴の優しい音色が聴こえてくる。
暑い夏。
暑さに心も体も負けてしまわないように、夏を楽しむ工夫が必要だ。
【基本情報】
光丸山法輪寺
住所:栃木県大田原市佐良土1401
アクセス:
・お車の場合
東北自動車道「矢板IC」より約30分
あるいは「西那須野塩原IC」より約40分
・電車の場合
JR東北本線「西那須野駅」より関東自動車バス(西那須野-馬頭線)乗車後約30分、「佐良土」下車徒歩約2分
駐車場:有(無料)、50台
御朱印対応時間:9:30~16:30(但し行事などにより変動あり)