房総の海をイメージした陶製の風鈴「南総風鈴」が並ぶ、陶風鈴展が館山市大神宮の館山野鳥の森「ふれあい野鳥館」で始まった。同市内の陶芸家、福島久美子さん(43)が制作する作品の展示で、爽やかな色合いとやさしい音色を奏でる風鈴200点が天井を彩り、来場者を楽しませている。8月31日まで。
福島さんは地元館山へ13年前にUターンし、同市下真倉に自身の「福美窯」を開窯。創作に励む。同所での展示は9回を数え、夏の時期の恒例行事となっている。
自身が生まれ育った房総の海をイメージした南総風鈴は、貝殻などで模様を付けた後に素焼きし、青い釉薬で色を付け、波を表現。丸型や三角型など形も豊富で、一つ一つが異なる音を鳴らす。今年は、音を鳴らす「舌(ぜつ)」の部分に、安房地域で駆除されたシカの角を輪切りにして活用した他、地域の自然をイメージした花や魚の模様を新たに加えるなど、創作の幅を広げた。
同館の天井では、淡い青色の風鈴が広がり、外から入ってくる風やうちわの風を受けて心地良い音を感じることができる。「ガラスの風鈴にはない、陶器ならではのやさしい音。一つ一つが持つ、個性豊かな音の響き合いを楽しんでもらえたら」と福島さん。
午前9時から午後4時半まで。南総風鈴の他、一輪挿しや箸置き、ヘアアクセサリーなども展示。
問い合わせは、館山野鳥の森管理事務所(0470―28―0166)へ。