福岡市早良区の紅葉八幡宮の御神門に高取焼の風鈴約50個が飾られ、涼やかな美しい音色を響かせている。
風鈴飾りは2021年から始まり、今夏で3度目。福岡藩黒田家の守護神として信仰されてきた同神社と、同藩の御用窯で400年以上の歴史を持つ高取焼本家味楽窯(同区)が、伝統を生かした地域の夏の風物詩として考案した。
風鈴は同窯が石やわら灰、酸化鉄などからブレンドした4種類のゆうやくを使い、1250~1295度で約14時間焼いて作られた。ゆうやくや陶器の厚さによって異なる音が鳴る。
風鈴の由来である青銅でできた鐘形の鈴「風(ふう)鐸(たく)」の音には魔よけの意味があり、その音が届く範囲は聖域とされた。このため、流行する新型コロナウイルスの終息を願う思いも込められている。
同神社の祢宜(ねぎ)、平山道宜さん(30)は「風鈴の音色を聞いて心爽やかに夏を過ごしてほしい」と話している。風鈴は8月31日までの日中に飾られる。