有田町の有田一番館で25日まで開催された「第5回有田風鈴コンテスト」で、同町泉山の女性伝統工芸士(下絵付け)、栗山順子さん(64)の木槿(むくげ)の花を色絵と染付で繊細に描いた風鈴が1位に選ばれた。
同館を運営する町おこしグループ「有田の愉快な仲間達」(吉岡千恵子代表)が主催。プロ、アマ問わず出品された有田焼の風鈴80点を、観光客ら来館者が人気投票。総数200件から上位11点を選び日本工芸会正会員の村島昭文さん(78)=昭文窯=が審査した。
栗山さんは、辻精磁社で40年近く絵付けの仕事をする。同館での女性伝統工芸士の作品展示を縁に、今回初めて出品した。
1位に輝いた作品は、自宅の庭に咲く木槿の花を赤の色絵と、薄めの呉須による淡い染付との2種類で描き「夏らしく涼しげな感じに仕上げた」という。
水辺のセキレイと2点を出品したが、「手間がかかった分、(木槿が)気に入ってもらえたのかな」と笑顔を見せ、「驚いたけどよかった」と1位を喜んだ。