強い日差しが照りつけるなか、チリンチリンと涼やかな音色が夏の暑さを和らげている──。全国津々浦々の風鈴がずらりと並んだ「風鈴祭り」が31日まで、東京都足立区の西新井大師総持寺で開かれている。真夏日となった12日、ガラス、鉄、陶器など素材も様々な約600種類の風鈴が一斉に揺れると、参拝者はハンカチで汗を拭いながら、その音色の違いに耳を傾け、涼しさを味わった。
同寺は参拝客が減る夏場にも境内に足を運んでもらおうと、1999年に風鈴祭りを始めた。群馬県の藤岡ガラス、岩手県の南部鉄器、鹿児島県の薩摩切子、滋賀県の布引焼、静岡県の竹千筋細工など、各地の伝統技術を生かした風鈴が集まるとあり、「反応も上々。逆に風鈴がありすぎて、どの音が鳴っているかわからないと言われるくらい」と実行委員長の柳良範さん。
初めて風鈴祭りに訪れたという江東区在住の坂野能子さん(68)は「こんなに全国の風鈴があるとは思わなかった。聞くと涼しくて、なかなかいい」と話した。
会期中の日曜日には、太鼓演舞や風鈴絵付け体験などの催しも開かれる。風鈴は購入も可能。