西伊豆町在住のガラス作家らで構成する「西伊豆硝子舎」が6月23日、宇久須神社(西伊豆町宇久須)の拝殿に240個の青い風鈴を飾り付けるイベント「風鈴神社」を始めた。同日、青い風鈴の販売も始めた。(伊豆下田経済新聞)
西伊豆町は、かつてガラス原料のケイ石産出が盛んだった町で、ガラスのテーマパークやガラス工芸作家の工房が集まるなど、独自のガラス文化を作り上げてきた。2001(平成13)年には、西伊豆の夕日や特産品を表現した風景「かも風鈴」が誕生。この地域のかつての地名「賀茂村」から名前を取ったこの風鈴は、町の特産品として定着している。
同イベントは2022年から毎年、同時期に開催しており、今年で3度目の開催。町内在住のガラス作家たちが「西伊豆の空と海」をイメージして制作した240個の青い風鈴を拝殿に飾り付け、時折吹く風とともに涼しげな音色を奏でている。拝殿ではケイ石などを展示するほか、期間限定の御朱印も用意する。
イベント初日、宇久須神社で商売繁盛や健康を祈る神事を行った。祈とうを受けた「青い風鈴」(6,000円)は、昨年に続き今年も88個限定で黄金崎クリスタルパークでのみ販売。「昨年は販売開始から1カ月が過ぎた頃には完売してしまった。ガラス作家たちが一つ一つ手作りで制作した青い風鈴は、全て音色とデザインが異なるため、お気に入りの風鈴を購入したい人は早めに足を運んでほしい」とガラス作家の五木田淳子さんは呼びかける。
同日には、宇久須神社から黄金崎クリスタルパークまでの道中をリヤカーで風鈴の引き売りする予定だったが、荒天のため中止に。リヤカーにつるされた風鈴の音色だけでも楽しんでもらおうと、ガラス作家たちは黄金崎クリスタルパークの敷地内でリヤカーを引きながら、同施設を訪れていた観光客たちを楽しませた。
五木田さんは「ここ数年、宇久須神社で行っていた地域の祭りがなくなり、人の出入りがなくなっていた。イベントを機に地域住民や観光客など、また人が集う場になったことを近隣住民たちも喜んでくれている声が多く寄せられている」と笑顔を見せた。
宇久須神社の清野さんは「今年はテレビ番組など、メディアからも問い合わせをもらうようになった。このような形でまた注目してもらえてうれしい」と話す。さらに「訪れてくれた人にもっと楽しんでほしいという思いから、境内でアサガオの栽培を始めた。花が咲くのはこれからだが、風鈴と一緒に楽しんでもらえる工夫に取り組みたい」と意欲を見せた。
開催時間は8時~17時。荒天の場合は中止になる場合もある。9月23日まで。