京都府京丹波町質美の旧質美小学校で、東日本大震災で被災した岩手県の名産品「南部風鈴」と、京丹波町のガラス職人が作った風鈴を並べて展示する企画展「岩手と丹波をつなぐ風」が開かれている。訪れた人たちは鉄とガラスの涼やかな音の共演に耳を澄まし、被災地に思いを寄せている。15、16日には、関連イベントも行う。
同小内の書店「絵本ちゃん」とカフェ「盲亀浮木(もうきふぼく)」、岩手県を支援している旅の情報スペース「風の駅」(京都市上京区・出町桝形商店街)などが、被災地を身近に感じる場を、と企画した。
「絵本ちゃん」では、同県出身の作家宮澤賢治に関する絵本と、同県の工芸品「南部こけし」を展示している。窓には南部風鈴と、同町細谷のとりもと硝子(がらす)店が手作りした風鈴が並び、木造の旧教室に澄んだ音が響く。店主の谷文絵さんは「丹波から岩手に思いをはせ、応援したい」と話す。風鈴などは29日まで展示する。
15、16日は、盲亀浮木が岩手にちなんだ特別メニューを提供し、「風の駅」が三陸鉄道グッズを販売する。16日は午前11時から宮澤賢治原作の童話「やまなし」のアニメ上映会(飲み物付き500円)を催すほか、午後4時から岩手県大阪事務所の職員を招き、東日本大震災の体験談を聞く防災セミナー(無料)を開催する。
旧質美小は月、水曜休館(祝日の17日は開館)。問い合わせは絵本ちゃん090(2705)8622。