和歌山県田辺市本宮町の世界遺産・熊野本宮大社は19日、熊野の神の使い「八咫烏(やたがらす)」の模様などがあしらわれた「八咫烏風鈴」を境内に取り付けた。参拝客に涼を感じてもらおうと毎年この時季に続けており、「チリン、チリン」という涼やかな音色が境内に響いている。
風鈴は、熊野地方に伝わる「三体月」をイメージした模様が入った南部鉄製で、高さ約6・5センチ。色鮮やかな短冊(長さ約26センチ)には八咫烏の模様が描かれている。
最上部に八咫烏の像をあしらい、ゆっくりと回転する高さ3メートルほどの台を授与所横に置いて88個の風鈴を取り付け、手水舎にも飾った。暑さ対策として神門前には霧が発生する装置も設けている。
盆明けごろまで飾る予定で、神職は「連日暑い日が続くが、涼しい音色で少しでも涼を感じていただければ」と話している。