この夏、国宝に決まった島根県の松江城。そのお堀を行き来する小船「堀川遊覧船」はお城を含む松江の町を涼しく見物するのにぴったり。季節らしさを出そうと風鈴を吊るした「風鈴船」も運航している。
松江城を囲む堀は、江戸時代の初めごろ、築城と同時に造られるようになり、今もそのままの姿を残している。城と堀とが当時の姿をとどめる町は全国でも珍しい。この堀を小船でめぐる「堀川めぐり」は水辺の鳥を眺めたり、17もの個性ある橋をくぐったりしながら楽しむ昔からの遊びだ。
冬にはこたつ船を出すなど折々の催しがある遊覧船だが、夏には毎年、涼やかな風鈴を吊るす。今年は風鈴の短冊に堀川沿いに住む絵手紙好きの人が水墨画などを書いて趣を添えている。
風鈴船は8月31日まで運行中。国宝見物のついでに乗ってみたい。