本格的な夏の訪れを前に、色鮮やかなガラスの風鈴作りが、茨城県坂東市岩井の市観光交流センター秀緑のガラス工房「さざ波硝子店」で、最盛期を迎えている。
軒に下げられ、風に吹かれた風鈴が「チリン、チリン」と涼やかな音を響かせ、心を和ませる。制作者は村石信茂さん(41)。室温が約50度にも達する工房で1日当たり約30個をそれぞれ手仕上げで作る。
水あめのようなガラスを吹きさおの先に巻き付け、さおを回しながら息を吹き込み、ぬらした新聞紙を用いて長径約7センチの卵形に整える。次に赤や緑、白など約20種類の色ガラスの粒を混ぜ込み色付けする。風鈴の口は成形釜を使い、きれいな音色になるとされる直径約3.8センチまで広げる。徐冷釜で常温まで冷ました後に組み立てる。
約3センチのねじったガラス棒を、美しい音色を出す「舌(ぜつ)」として、ひもでつり下げる。和紙の手作り短冊を取り付けて完成だ。
村石さんは「ガラスの柔らかさと光の屈折を楽しんでほしい」と笑顔で話した。