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涼やかな音色が響く風鈴の魅力 南部鉄器やガラスの風鈴/岩手県

風鈴関連ニュース

岩手県奥州市のJR水沢駅で毎年この時期にお見えする南部鉄器の風鈴。
700個の風鈴が奏でる、高く澄み渡った音色が利用者を出迎えます。
「残したい日本の音風景100選」(環境省選定)にも選ばれています。

江戸時代から南部鉄器を作り続けてきた奥州市水沢にある「及富」の、8代目・菊地章さんに南部鉄器の風鈴の特徴を聞きました。

及富・8代目 菊地章さん
「高音で共鳴する、響く時間が長い、そういったところが涼しいなって印象を皆さんに与える」

高い音が出る秘密は材質にあります。鉄に、より硬い金属を混ぜることで音が共鳴するそうです。

及富・8代目 菊地章さん
「時々、風で揺れて“チリンチリン”となるのがいいなって皆さん言ってくれる」

音だけだはなく見た目でも楽しんでもらおうと、野菜や果物をモチーフにしたものなどユニークな風鈴もあります。
製造している工房を見せてもらうと、この日は、砂型をつくったり鉄を流す準備が行われていました。
鉄を流す時、工房の中は50度にもなるそうです。そんな過酷な状況で(風鈴を)作り上げていきます。

及富・8代目 菊地章さん
「なにくそって意地とか、体が続く限り、走り抜けるって感じです」

熱き鉄と闘う職人たちの誇りが、澄み切った音色を創り出しているのかも知れません。

及富・8代目 菊地章さん
「どこかにかけてもらって“チリンチリン”となった時に一息ついて、日本がずっと守ってきた文化を大事にしたいなって感じてもらえるように(風鈴づくりを)続けていきたいと思う」

続いてガラスの風鈴づくりができる工房がある一関市に来ました。
厳美渓の近くにある「サハラガラスパーク」の園内には、国内外のガラス製品約10万点を展示販売していて、ガラスづくり体験ができる工房もあります。
工房でガラス製品を手掛けているのは、この道20年の佐藤健一さんです。

サハラガラスパーク 佐藤健一さん
  「夏の涼しさの象徴ですね、透明感とか音とかは。手作りで完全に作りますから、1個1個、形が違ってしまうんですね、そこが大きな魅力になります」

風鈴づくりに挑戦しました。 ガラスを溶かす溶解炉の温度は約1200度、また、短時間で作業しないとガラスがすぐに冷えてしまうため、暑さと時間との戦いです。
棒先にある溶けたガラスの表面に色のついた粒のガラスをつけていきます。
色がついたら、膨らませる作業です。

サハラガラスパーク 佐藤健一さん
「ガラスは膨らます力によって厚さが変わったりしますので、良い音が鳴るかはお客様次第です」

何度か繰り返し、風鈴の形になったら切り離して完成です。
出来た風鈴は窯に入れて1日、時間を置きます。

後日、届いた風鈴は、見た目がかわいく好みに仕上がりました。
「世界に一つだけの風鈴です」 夏本番。南部鉄器やガラス風鈴の涼やかな音色を、生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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