福井県越前市大虫本町の「宗山窯」で越前焼の風鈴作りが始まった。小浜市で最高気温が28・1度となるなど県内各地で夏日を記録した13日、ろくろ場には陶風鈴の織りなす優しい音色が響いていた。
風鈴作りは、越前焼に親しんでもらおうと同窯の2代目窯元宗倉克幸さん(45)が10年ほど前から取り組んでいる。
粘土を練り、指や細い木の道具を使って厚さ2ミリ以下の風鈴の形を作り、穴などを開けた後にガス窯で焼く。宗倉さんは「100個あったら音色は100種類。音も含め、越前焼の良さを感じてもらえれば」と話す。
越前焼らしい素朴な作品に加え、グレーや青の釉薬(ゆうやく)を塗った作品もある。宗倉さんが製作に取り組む中、越前和紙の短冊が風を受けて揺れ、「ちりん、ちりん」と涼しげなを音を響かせていた。
作業は7月末まで続き、約500個製作する。23~25日に同県越前町小曽原の越前陶芸村で開かれる越前陶芸まつりでも販売する。