室戸市吉良川町などで明治時代から作り続けられている高級炭「土佐備長炭」を使った風鈴が「ガラスにはない涼やかな音色」と人気を集めている。「キーン、キーン」と金属のような澄んだ音が響くのが特徴で、売り上げが増えている。
NPO法人「吉良川町並み保存会」の細木敏美事務局長(71)によると、土佐備長炭は主にウバメガシを原木に使う高級な「白炭」。明治時代末ごろに和歌山から製法が伝わり、本家と並ぶ名産品となった。高温で焼き上げるため硬度が高く、一般的な「黒炭」に比べ火力が強く、火持ちが良いという。
風鈴作りは、「土佐備長炭の良さを広く知ってもらおう」と同会のメンバーらが3年前から行っている。町のイベントなどで販売したところじわじわと人気になり、これまでに約100個を売り上げた。1個1500〜2000円。
同会は風鈴作り体験を始める計画。細木事務局長は「土佐備長炭の独特の音色が涼を運んでくれます。ぜひ一度聞いてみて」と呼び掛けている。風鈴作り体験などの問い合わせは同会(0887・25・3670)へ。