「またUFOがあらわれる季節がやってまいりました」――。一風変わったUFOの風鈴の写真とともに投稿されたある寺のツイートが話題になっています。こんな風鈴をつるしている理由は?寺の副住職に話を聞きました。(朝日新聞デジタル企画報道部・小川詩織)
坂を上った先、ふっと涼を感じて
西国三十三所の一つ、岡寺(奈良県明日香村)が見た目も楽しめる風鈴の写真を投稿したツイートが話題になりました。
UFOと、そこに人が吸い込まれる様子をモチーフにした風鈴です。「これ欲しい!」などのコメントと、1万近くもの「いいね」が付きました。
そんな面白い風鈴をつるしている岡寺の副住職・川俣海雄さんに聞きました。
――いつごろから風鈴を飾るようになったのですか。
去年からです。ここの寺は少し小高い場所にあります。訪れる人は坂を上ってきてくれるのですが、寺に入ってすぐの場所にある手水舎(てみずしゃ)で、ふっと涼を感じてほしいと思い、始めました。
――珍しい風鈴ですね。
UFOの風鈴は「能作」というお店のものです。今年は新しくフクロウの風鈴も追加しました。
夏の季節に風鈴を飾ってみようと思い、探していました。ネットで偶然見つけたのですが、面白いですよね。変わり種のものだと、見る人も楽しんでくれると感じました。
――ツイートは1万近く「いいね」が付いています。
話題になって、とてもびっくりしています。ここ最近、「あー、これこれ!」といいながら写真を撮っている方もいるので、ツイッターやインスタグラムを見て、来てくれたのかと思っています。
花を浮かべる花手水の先駆け
――春には水場に花を浮かべていましたよね。
春は「花手水」にしていました。夏は暑さですぐに花が傷んでしまうこともあり、手水鉢にはビー玉を飾っています。風鈴と合わせてより涼しげになっています。
――花手水の先駆けとも。
岡寺では2015年の春、ダリアを池や手水舎の水面に浮かべることを始めました。奈良県内で春にダリアを生産されている花農家の方がいて、出荷のタイミングが合わず咲いてしまった廃棄するしかないダリアを、もったいないので献花してもらいました。
厳密に調べたわけではないのですが、この時点で花を手水舎などに浮かべている寺社はなかったのではないかと思われます。
インスタグラマーの方からも「おそらく『お花を水面に浮かべる』ということを始めたのは岡寺が初めて」との声をたくさんいただき、「花手水の先駆け」と言うようになりました。
――いつまで風鈴の手水舎を楽しめますか。
8月いっぱいまでの予定です。暑さが本格化していますが、目と耳で涼しさを感じていただければと思います。
そのあとは、ビー玉と、緑や赤の紅葉を入れる予定です。秋にも色とりどりの手水舎を楽しむことができるので、ぜひ見に来てください。